2008年11月04日

職人魂。

      ・・・・・・・十月○日、都内某所・・・・・・・


だいじそ「こづぅ~、お・ま・た・せ♪」

 子連れ「んもぉ~、だいちゃんったら、遅いよぉ~!」

    だ「ゴメン、ゴメン。着替えに時間かかっちゃって。」

    子「そういえば、今日は短パンにサンダルじゃないね。」

    だ「そう、長ズボン、パンパンで入んなくて、
      それで時間かかっちゃったの。」(ってオイ)

    子「そっかぁ、その体型じゃぁ、しょうがないよね。」
      (ってだから!オイオイ)

    だ「じゃぁ、行こっか、こづ♪」

    子「ちょっと、待ってて、今お迎えが来るから。」

    だ「へっ?」

    子「先生が直々に。」

    だ「なにぃ、なんですと!!先生自らぁ~!!」




・・・・・・・、



事の始まりは、私がかけた1本の電話からでした・・・。


「私、子連れと申しまして・・・、」

「はい、これこれこういう訳で、ある物の製作を
 お願いしたいのですが。」

「・・・、なるほど、そうなのですか。」
       
         ・
         ・
         ・
(数分間、製作依頼についてのお話)
         ・
         ・
         ・
    
「実は私、近くに住んでいるのですが・・・」

「えっ、遊びに行っていいんですか?」

「もうひとり、一緒に行ってもいいでしょうか?」

「外見、どう見ても怪しいんですけど」

「いいんですか?」

「短パンにサンダルですよ?」

「ありがとうございます!それでは当日、
 よろしくお願い致します!」


・・・、

そんな訳でして、だいじそさんとふたりで、
ある有名な先生の工房にお邪魔することになりました。
そうです、GUNのエングレーブで有名な井浦先生です!
(先生に記事UPの許可を頂きましたので、公開致します♪)


はじめ、電話をかけることすら、ドキドキしていたのですが、
いざ、お話をしてみると、とっても親切にご説明して下さり、
「遊びにおいでよ」、と言って下さるくらい、気さくに接して
下さいました。
当日、だいじそさんと待ち合わせた場所から分かりにくい
ところにある、ということで、わざわざ、先生が自らお迎え
にきて下さることになったんですね。
(なんていい方なんでしょ!)


そんなわけでして、
先生のご案内のもと、歩きながら工房へとむかいました。
駅前には今では大きなマンションが建ったりしていますが、
線路わきから見える線路や電車などはなかなか風情が
あり、電車マニアにはたまらないでしょう。
ちょっと入ると道も細くなり、車の通りもあまりなく、静かで
とてもいいところです。


さて、
到着致しました。
工房では奥様が丁重にお迎えして下さいましたよ。
(ここで、工房の様子などを書きたいところなのですが、
あんまり書いちゃうと、これから先生のところへ遊びに
行く方の楽しみを奪っちゃうことになるので、割愛しま~す♪)


腰を下ろして数時間、
色んなお話をして下さいました。
修行のこと、海外でのこと、メーカーとのこと、
などなど・・・。
今まで製作した作品の写真を見せて頂いたり、
製作に欠かせない沢山の資料や年代物の
本なども大量にありそれも拝見する事ができました。
また、実際に作品を手にとって見せて頂き、
その素晴らしさにため息しちゃったりもしました。

しかし、思っていたほど、工房には作品がないの
です。なんでかなぁ~、と思っていたのですが、
先生のお話を聞いてわかりました。

先生曰く、芸術家ではなく、職人なので、自分で
キレイだとか、これはいいものだ、とか思っていても
お客さんが、「これ欲しい!買わずにはいられない!」
と思うようなものを作らないとダメなんだそうです。
お客さんにいかに満足(ビックリ)して頂ける物をつくるか、
それが職人だということです。
なので、「この作品お気に入りだから、売らないで、
とって置こ!」ということがなく、全部売れて、工房に
一丁も銃がないのが一番の理想なのだそうですよ。

銃やナイフは“怖いもの”、“危険なもの”、であるので、
そういったアブナイものに彫刻を彫ることがいいのだそう
です。なので、そういう危ないものに、カワイイものや、
やさしいものは合わないので、動物だったら、龍とか虎
とか厳しいもの危機迫った感じが銃やナイフには似合う
とのこと。
不思議なもので、人間、元気な時やお金がある時は、
動物を彫りたがるそうですよ。逆に、元気がなかったり
景気が悪いと単にアラベスク(唐草)模様だけになっちゃう
そうです。
やっぱり、そうやって力強いものから元気やパワーを
もらったりするんでしょうかね?

それと、以外だったのが、銃を撃ったりしないし、
銃のことはよくわからないと仰るんですよ!
つまり、「銃」というカタチをキャンバスに見立てて
それに色々な彫り物を施していくという事です。
直線があったり、曲面があったり、立体なので、
そこに色々な表現をしていくわけですね。
職人魂。
(※先生の商売道具である、「たがね」です♪)

でも、とても細かくて繊細な作業なので大変だと
思います。天候などによっても調子が変わって
くるでしょうし・・・。しかし、先生は今でも裸眼で
作業をなさるそうですよ。
ずっと座っての作業なので、散歩をしたり、○を
○いたり、息抜きはかかせません。

それと、どうしてもお伝えしたいのが、奥様の
存在です。先生と、だいじそさん、私の3人で
銃の話や作品の話をしていると、奥様が本棚
をゴソゴソ弄っているんですね。そして、雑誌
や資料のファイルを持って来て下さるんです。
それが、なんと!今、話してた銃の資料じゃ
ないですか!奥様スゴ~イ!どこに何があるか
把握していらっしゃるのでしょうか?

先生が聞いたのに忘れちゃった事とかも奥様
は細かく覚えていたり、斬新なアイデアも出て
来たりとか、その奥様の献身ぶりには頭が下がり
ます。うちのカミさんに奥様の爪の垢を煎じて
飲ませたいくらいです。
なので、作品が出来たら、先生は一番に奥様に
見て頂くのだそうですよ。
いやぁ~、あいを感じますよ、愛を。
先生の素晴らしい作品だけでなく、
奥様の献身、先生の奥様への愛情、
素晴らしい夫婦愛も見せて頂きましたぁ~!
ありがとうございます♪


そんな、こんなで、
気付いたら、もうこんな時間!?
あんまりに楽しいひと時だったので、
とんでもなく長居をして奥様にもご迷惑を
おかけしてしまいましたぁ(スミマセン)
帰りも先生に駅の近くまで送って頂きました!

ご興味おありの方はぜひ先生の工房に
遊びに行ってみてはいかがでしょうか・・・。
きっとあなたも時間が経つのを忘れちゃう
はずです。そして、またあらたに銃の奥深さ
に出会う事でしょう♪
>So-Sui支配人、こちらにお越しの最は、ぜひ
 いっしょに遊びにいきましょう!


エングレーブにご興味がおありの方はコチラ♪
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Posted by 子連れ狼  at 00:02 │Comments(6)エングレ倶楽部

この記事へのコメント
なんだか今からそわそわしてしまいます。
遠い異国の話だと思っていたことが、差し出された一本の紐を辿っていけば届くという喜び。今回は歯ぎしり無しです(笑)
Posted by So-Sui at 2008年11月04日 00:22
So-Suiさん、

WA渋谷店がガバの聖地なら、井浦先生の工房は、エングレ倶楽部の支配人にとってはまさに、聖地!
ぜひ、お時間を作って遊びに行きましょう♪
Posted by 子連れ狼子連れ狼 at 2008年11月04日 17:57
誕生日おめでとうございます~遅くなりました

井浦先生の工房でのお話の数々~もっとお願いしますよ
動物とアラベスク(唐草)模様のお話はたいへん興味深いですね
黒穴祭での井浦先生のブ-スでの感動も忘れられません
ただ~いつも残念なのは先生の渾身の作品も亜鉛合金やプラの肌では役不足ですね
やはり☆透き通るような☆鋼鉄の青い肌の上に踊らせて欲しいと思います
渋谷のWAのショーウインドーに飾ってある銀無垢ガバの彫刻も先生の作品だったと思います~あれいいですね☆
Posted by SCM4steel at 2008年11月04日 19:19
どうもどうもどもどもっ!
ほんとにたのしかったですねー!
そして井浦さんはほんとにきさくな方でしたねえ。
プロフェッショナルのお話しは実にディープです!
訪問出来る機会にはまたご同行を御願い致します。
次回は寝袋持参で行きますっ♪(オイ)
Posted by だいじそ at 2008年11月04日 21:15
SCM4steel さん、

ありがとうございます~

ほんとに井浦先生の工房でのひと時は
楽しく、時間がいくらあっても足りないです。
なので、一度に全部をご紹介するのは
難しいですね♪
(場所の都合と、時間があれば、実際に
工房を訪問して頂くのが一番いいのですが
なかなか大変ですもんねぇ)

素材の違いによる、彫り応えは先生も
仰っていました。やっぱり金属の方が、
いいみたいですね。

>WA渋谷のショーウインドーの銀無垢彫刻ガバ
そうですね、先生の作品ですね。
素晴らしいです!
Posted by 子連れ狼子連れ狼 at 2008年11月06日 17:25
だいじそさん、

やぁやぁやぁ!
楽しい時間は、ほんとにあっという間でしたね。
じゃあ、私はテント持参で・・・。
Posted by 子連れ狼子連れ狼 at 2008年11月06日 17:25
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